良禽択木の解説

 「良禽」はかしこい鳥で、かしこい鳥さんは住みやすい木を見つけて巣を作りますよってことから、優秀な人物は仕える相手もしっかり選ぶものだという意味を持ちます。しかしダメ君主に仕える超絶優秀な猛者っていうのも結構魅力的ではありますね。

良禽択木の例文

【楪】「良禽択木……優秀な鳥は、優秀な住処を作る環境を判断する。お前には、その判断力がある」

【環】「……水城さん達の、仲間にってことですか?」

【楪】「此処なら、お前の力を、お前の可能性を存分に引き出せる。少なくとも、箱入り共の花園なんて狭く拘束だらけの場所で、決して主役に認められることもない今のお前の立場よりかは、遙かにな。お前とてそれを、思い知っているはずだ。そして今のお前の翼は、もう癒えている……何処へだって行けるし、住むことだってできることを、理解しているはずだ」

【環】「……ごめんなさい、それでも私が択んだのは……夏鳴ちゃんですから」

【楪】「あの脆く儚い女子が、お前を活かしきる君主たりえると?」

【環】「過大評価ですよ、水城さん。そもそも、私には翼なんてない。私には……何も、無かった筈なんです。今まで持っていた、見えてたものは全部、もう私のもとにはなくて」

【楪】「…………」

【環】「――私には、夏鳴ちゃんしかないんです」