海市蜃楼の解説
「海市」も「蜃楼」も蜃気楼のこと。まるで蜃気楼を実体あるもののように語るが如く、根拠の欠けた非現実的な考え・理論に対し使われる四字熟語です。
蜃気楼の解説でも入れて文字数を稼ごうかなと思ったのですが、正直説明できるほど理解できてないですすみません。よくイメージされるのが、空中に島やら船やらが浮かんで見える姿ですよね。前提として、ものは光の情報(=自身の色や形状の情報)をあらゆる方向に放っているそうです。ものを見るというのは、物質が放つ光の情報を眼に容れるということ。そして入った情報の位置(方向)は眼に入ってきた光の角度によって脳が解釈するんだと思います。例えば目の前にリンゴを置いたら、リンゴは自分の視界の中央位置に存在すると解釈するしかないですし、少し顔を右に回したらリンゴは視界の左側に存在すると解釈します。リンゴの放つ光の情報がどの方向から眼に入るか、これが脳がリンゴの位置方向をどの辺と解釈するかのメイン基準となるんでしょう。
で、蜃気楼の話に戻りますが、光というのは大気の温度差によって屈折が発生するらしいです。その屈折によって本来お空に真っ直ぐ飛ぶ筈の光が観測者の眼の方向に曲がり飛んできて、それを眼に容れた観測者はお空から飛んできたという方角情報から、「お空に〇〇が浮かんでる(=位置している)」と解釈するしかない、という仕組みだそうです。蜃気楼にも色々種類があるようで、解明されていないことも多いのでこの理論だけでは全てを語るのは不可能です。まあ抑も自分のこの説明自体既に間違いだらけかもしれませんが、取りあえずこう解釈しておきました。物理学勉強しとくべきかな……。
海市蜃楼の例文
【鎮】「……本当に、君は、君たちはその研究を貫くつもりなのか? 現状、幾らかの“偶然”を起こしているだけの海市蜃楼に過ぎないだろう?」
【環】「それは……はい。その通りだと、思います」
【鎮】「いたずらに責任を抱えるやり方は、統べる者として間違っている。適材適所こそ効率の要であるし、何より君たちはまだ学生だろう? 今この大陸で起きている諸々と関わることは、断じて遊びで済まされない……それは、この中で君が一番思い知っていることだろう?」
【環】「……はい。だけど、それでも何かをしたいんです。私は、この文書を解読したい」
【鎮】「何の為に? 誰の為に――?」
【環】「……きっと……どの誰の為よりも、何よりも、私自身の為に――そう思えるんです」