含英咀華の解説

 見た目は掴み所ありませんが、割と使いやすいやつです。「含英」は美しいものを口に含み味わうことで、「咀華」は華の美しさを噛んで味わうこと。思いっきり食ってますね。

 でもそれは比喩みたいなもので、良質な文章をよく味わい、心の中に蓄えることを意味します。その詩文などを評価する時にも使えるってことです。

含英咀華の例文

【恋々空】「あれ、はこが静かに本読んでる……」

【はこ】「人が本を読むことは決して悪いことではないなり」

【恋々空】「別に悪いなんて云ってないけど、でも何か普段の暴れっぷりは対照的で……読書、好きなの?」

【はこ】「……古より残された、人々の感情の記録。それは滅ぶことなく生き存えてきただけのことはあり、強烈な生命と当時の世界の有り様を思わせます。私は、含英咀華を経てそれらを自分の中へと受け継ぎ、また未来に今度は自分が何かを残していく……そう思うと、ロマンというべきものを感じざるをえません」

【恋々空】「あ……そ、そう、ですか?」

【はこ】「現代ではまだ全國とはいかずとも可成りの人々が識字を持つにいたり、そして表現を残すという手段を習得し、書物の数はまるで海のように広がりました。ですが、それ故に、含み咀うに値しないスッカスカで不格好な文章ばかりが混雑して、正味現代のものに眼を遣ることすら苛立つばかり。それらもきっと、何百年と経つうちに淘汰され意味も価値も残せないまま消えていくんでしょう。その程度のモノのよりも、現に残っている、すなわち価値が生きていると確実に見なせる古代の書物に眼を遣るが上質。ココアも、悪書などに惑わされないように。よければこの海賊王がココアに良い経験となるものを選定しますが」

【恋々空】「……いえ……結構です……邪魔してすみません……」

【結晶姫】「怖っ……」